公開中の映画「沈まぬ太陽」(若松節朗監督)の原作者で作家、山崎豊子さん(84)がこのほど、地元の堺市で若松監督と共に鑑賞した。

ジャンボ機墜落事故を引き起こした航空会社の組織的、構造的な問題を浮き彫りにする。主人公の恩地元(主演・渡辺謙さん)は、社員の待遇改善のため、組合活動に力を尽くす。が、報復人事に遭って中東やアフリカに配転させられる。良心や出処進退のありか、組織と個人の間にそびえる壁などさまざまなことを考えさせられる。上映時間は3時間22分と日本映画としては異例の長さ。
山崎さんは「犠牲になられた方、遺族の気持ちを思うと今も義憤にかられます」。時に声を詰まらせながら、「自分の映画で泣いたのは初めて……。渡辺謙さんの演技が素晴らしかった」と評した。
長文の手紙を山崎さんに送り、主演を懇願した渡辺さんと同様、若松監督も山崎作品を撮ることを切望した。「自分でもよくぞ撮り終えたな、と思います。先生からは『(「不毛地帯」の映画化以来)映画化は33年ぶり。完成するまで死ねないわ』と言われていましたから両肩がいつも重かったですね」
山崎さんは「映画は、人間の心の内を丹念に描いていて見ごたえがありました。今の日本に必要なのは、恩地のように、たった一人になっても筋を通し、信念と良心を持ち続ける人。特に男の人たちに見てもらいたい」と語った。
助けて
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